海外旅行はワクワクする体験ですが、慣れない環境では思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。せっかくの旅を安全に、そして楽しく過ごすために、事前にできる対策と現地での注意点をまとめました。
◎旅先の安全情報を外務省のホームページから入手することができます。
ぜひ「たびレジ」に登録してください。
✅ 外務省の海外安全ホームページを事前に確認!
https://www.anzen.mofa.go.jp/trip/
✅ 外務省のたびレジに登録して情報をゲットしよう
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html
1. スリに遭わないための対策
駅から出た時に前からぶつかってきた人がいた。
すごい剣幕で怒鳴りながらその人が去ったあと、後ろのポケットに入れていた財布がなくなっていることに気づいた。人の往来はあったが混んでいる状態ではなかったので油断してしまっていた。

警察に行っても、あんまり丁寧な対応でなくて。。



スリは「避けられる犯罪」です。油断したすきに狙われる。
だからこそ、ちょっとした意識と準備でほとんど防げます。
■ 事前にできるスリ対策
- 貴重品を分散する
→ 財布・パスポート・スマホを一か所にまとめない!
→ 出来たらカードも現金も分けて持つようにしよう。 - セキュリティポーチや肩掛けのポシェットを使う
→ 体の前で貴重品は管理するよう心掛ける - 目立たないバッグを選ぶ
→ ブランド品・派手なリュックより、シンプルでしっかり閉まるものがおすすめ。
→ リュックよりも斜めがけのショルダーバッグを前に持つ方が安全。 - チャックのついたバックを使用する
→ 開けにくくすれば、狙われにくくなる!
■ 現地で気をつけたい行動
- バッグは常に前に抱える or 手を添える
→ 混雑した場所では「前抱え」が鉄則!自分の見える位置に。
→ エスカレーター、駅、観光地などは特に要注意。 - 後ろポケットには何も入れない
→ ズボンの後ろポケットはスリのカモ!見られているんですよ。
→ パスポート・スマホ・財布をポケットに入れておくのは絶対NG。 - 人混みでは警戒モードON
→ 「ぶつかってくる人」「子どもがわちゃわちゃ寄ってくる」=スリグループの可能性も!
最初にいい人にならなくていいんです。まず警戒、安全を確認したら親切になればいいのです。 - スマホを手に持ったまま歩かない
→ スリ+ひったくり対策。盗られて一瞬で消えます…。殴られて取られる場合も。 - 地図を開くときは壁際 or カフェなど安全な場所で
→ 観光客と思われた瞬間を狙われやすいので、立ち止まる場所も重要。
■ さらに安心!+αの対策
- AirTagなどの紛失防止タグを入れておく(荷物が消えたとき追跡できる)
- スマホ・財布に「緊急連絡先」のメモを入れておく
- 「誰かに話しかけられた=注意をそらす作戦」と思うべし
2. 置き引き対策
ベンチでちょっと休憩しているとき、横に荷物を置いていた。買い物をたくさんしていたので袋がいくつかあったが、気が付いたら袋が足りない。そういえば一瞬隣に座った人がいたが疲れていたので気にしていなかった。せっかく買ったブランド品が盗まれてしまった。



置き引き、実はスリよりも被害にあいやすいって知ってますか?
「置いた瞬間、持ってかれる」――まさに一瞬の油断です。
しかも盗られて気づくのは「数分後」。犯人はすでに遠くへ・・・
■ 効果的な対策
- バッグは常に体に接触しているようにする
- 足の間に挟む・肩掛けして前に持つ・膝の上に乗せるなど
- 座るときは、常に見えるところ、または横に置くときは腕にストラップを通しておくなどの工夫をする
- テーブルの下に引っ掛けるフックやロックを使う
- ワイヤーロック、カラビナ付きの防犯フックも便利
- 寝るときは荷物を抱える or 足に巻く
- 特に空港・深夜の交通機関では絶対に油断しないこと!置き引き犯はあなたを観察しています。
- 大事な物はサブバッグに入れて肌身離さず
- 「見える場所」よりも「肌に触れる距離」が鉄則
■ 絶対やってはいけない行動
- 席取りにバッグを置いて行く(海外では超NG!)
- 荷物から目を離してスマホに夢中になる。
- 荷物を椅子の背もたれに掛ける(後ろからサッと盗られる)
- 上の棚に荷物を置いて寝る(長距離列車・夜行バスなど)


■ 心構えも大切!
- 「数秒でも目を離したら無くなるかも」と思って行動しよう
- 日本の感覚で「ちょっとそこに置く」が通用しない国は多い
- 油断していて、おとなしい日本人は、海外では“ターゲット”になりやすい
3. トラブルに備えた事前準備
● パスポートや重要書類はコピーしておく
- 紛失や盗難時にスムーズに対応ができるよう「紙のコピー+スマホ内に写真保存」がおすすめ。
● 緊急連絡先をメモして持ち歩く
- 大使館・保険会社・カード会社の連絡先を紙でも携帯
- スマホのメモアプリにも保存しておくと便利
● 海外旅行保険には必ず入る
- 病気やケガだけでなく、盗難やキャンセル補償も対象
- クレジットカード付帯保険でもOKな場合あり(内容を要確認)
もしスリ・置き引きの被害に遭ったら?



「もしスリ・置き引きに遭ってしまったら、どう動けばいいか」――これは準備と同じくらい大事。冷静に動けるように、事前に流れを頭に入れておくと安心です。
■ スマホ・クレカが盗まれたときの対応の流れ
〈 スマホの場合〉
- iPhone →「iCloud」から【iPhoneを探す】で位置確認・遠隔ロック
- Android →「Google デバイスを探す」機能で同様の操作
- SIMカードも不正利用されることがあるので、キャリアに連絡して停止!
〈クレジットカードの場合〉
- すぐにカード会社へ連絡し【利用停止】を依頼
- 日本にいる家族・友人に代理で電話してもらうのもOK
- 現地警察へ被害届(ポリスレポート)を出しておくと、カード会社への補償請求もしやすい
■ パスポートを盗られた場合
- 現地の警察に盗難届を出す
- 被害届(ポリスレポート)が後の手続きに必要
- 在外日本大使館・領事館へ行く
- 「パスポートの再発行」または「帰国のための渡航書」の申請
- 必要書類:
- 被害届の控え
- 顔写真(証明写真サイズ)
- 身元確認書類(コピーでも可)
- 渡航書なら航空券(eチケット画面など)
■ 警察への被害届の出し方
- 英語(または現地語)で状況を説明できるとスムーズ
- ホテルのスタッフや現地の日本語ガイドが助けてくれることもある
- 届け出の際には盗難時刻・場所・盗られた物の内容・状況をメモしておくと◎
■ 海外旅行保険の請求に備える
- 警察の盗難証明書(ポリスレポート)は必須!
- 保険会社への連絡は【被害当日 or 翌日まで】がベスト
- クレジットカード付帯の保険の場合も、対応デスクに相談しよう
■トラブル時の緊急対応チェックリスト■
項目 | やること |
---|---|
スマホ | iCloud/Googleでロック、キャリアに停止連絡 |
クレカ | 即時停止&再発行依頼(日本の家族にも連絡) |
パスポート | 警察→大使館(再発行or渡航書) |
被害届 | 現地警察で盗難届を発行してもらう |
保険申請 | 保険会社に連絡、必要書類を確認・準備 |



まずは、落ち着いて状況確認。
いつ、どこで、どんな状況で盗られたのか思い出す
盗まれたもののリストを把握することが大切ですね。
その他、どんなトラブルがあるのか「動画」で確認



外務省の海外安全劇場に出てくる事例は、私が現地ガイドをしていた時に実際あった事例と同内容のものも紹介されています。
どれも事前に知って注意して行動すれば防げるトラブルです。
ぜひ渡航前に確認しておいてくださいね。
他人事ではないのです!



突破ファイルに出てくるような事が他人事じゃないことがよくわかりました。



備えあれば、楽しい旅!
ちょっとした備えと意識の高さがあれば、多くの問題は未然に防げます。自分が外国にいる、日本の常識が通じない、と思っておくのは大切なことです。
「もしも」のために備えながら、旅そのものを思いきり楽しんでくださいね。