海外旅行や出張で国際線を利用する際、飛行機の遅延・欠航に遭遇することは珍しくありません。
「どうして遅れるの?」「空港で何をすればいいの?」
「いきなり飛行機が飛ばないって言われた…」「何からすればいいの?」という不安を解消するために、対応方法をわかりやすく解説します。
国際便が遅延・欠航する主な理由6つ
①天候不良(出発地・経由地・目的地)
国際線は複数の地域を通過します。どこか一地点でも悪天候(雪・台風・濃霧など)があれば、出発が遅れることがあります。
特に冬のヨーロッパや北米、ハリケーンシーズンの南北アメリカや東アジアでは頻発。
②使用機材の到着遅れ
自分が乗る飛行機が他の路線から来る場合、前の便の遅れがそのまま影響します。これは国際線でも非常に多い原因です。
③航空管制による遅延
渡航先の空港が混雑していたり、離着陸スロット(時間枠)が制限されたりすると、出発が後ろ倒しになることも。
④空港手続き・乗客の遅れ
セキュリティチェックや出国審査に時間がかかり、乗客が定刻までに搭乗できないと、出発が遅れます。
他の乗客の急病やトラブル対応が原因となることも。
⑤機材トラブル・点検
長距離を飛ぶ国際線では、機材の安全確認が非常に厳重。
少しの異常でも整備に時間がかかり、遅延になって待たされた挙句、欠航になることもあります。
⑥ストライキ・政治的理由など
特に欧州では、空港スタッフや管制官のストライキによる欠航が年に数回発生。
また、政治的緊張や国際情勢の影響を受けるケースも。
欠航の原因によって航空会社の対応は異なる
欠航の理由 | 航空会社の対応 | 追加の補償 |
---|---|---|
天候(台風・雪など) | 便の無料振替えは可能 | 補償なしが多い |
機材トラブル | 便の無料振替えは可能 | 場合によっては宿泊提供される |
スタッフ不足・人員配置の問題 | 便の無料振替えは可能 | 場合によっては宿泊提供される |
ストライキ | 便の無料振替えは可能 | 状況次第で補償あり/なし |

飛行機が遅延・欠航したときの対処法
1. まずは遅延・欠航情報をチェック
空港の電光掲示板や、航空会社の公式アプリ/サイトでフライト状況を確認。
遅延:DELAY
欠航:CANCELLED や Flight not operating など
正確な情報を把握することが第一歩です。
遅延時は、変更された出発時刻・出発ゲート・遅延理由をこまめにチェックしましょう。
2. 国際航空券の欠航振替・再手配について

当日に便が欠航になった場合の対応は、空港の航空会社カウンターで行うのが基本でスムーズです。ただし搭乗できない人が殺到しますので並ぶのは覚悟してください。
航空券予約時にEメールや携帯番号(SNS)の登録をしているはずです。まずはアプリ/メールで遅延・欠航の連絡が来ているか確認してください。
自動で振替されている場合
欠航が決まった時点で、次の予約が取れる便に自動振替されていることもあります。
アプリやメール等で確認した振替便で搭乗される場合は、その記載されている指示に従ってください。
アプリやメールでの連絡が来ていない、欠航後の振替便が決まっていない、なとの場合
・前日までに欠航が決まった場合の問い合わせは、航空会社または旅行会社へ。
・当日欠航が決まった場合
空港にいる時は航空会社カウンターで代替え便の手配をしてもらいます。
空港へ行っていない時は、航空会社へ連絡して代替え便の手配をしてもらいましょう。
電話がつながりにくいことは覚悟してください。航空会社によってはチャットやメールでの問い合わせを推奨している場合があります。
大幅な遅延や欠航では、定期便運航の関係で振替えが数日後になる場合もあります。
その場合は、数日後の便に必ず搭乗することを条件にホテル提供などが案内されることもあります。
チェックインも出国審査も通過しているのに、飛行機が飛ばない場合
搭乗ゲート前にいるのにいつまでたっても搭乗が開始されない。
聞いてみたら、機材トラブルのようで出発の時刻が遅れると言われた場合。
積み荷作業の遅れや機内の軽微な修理から、重大インシデントにつながりかねない機材トラブルまで様々な要因が考えられます。5~6時間その場で待機して、結局飛ばないことになり次の日の便に振り替えられた、という事例もよくあります。
ここでもポイントとなるのは、航空会社係員と直接相談して早めに自身で決断をすることです。
遅延している便がどのくらい遅れそうなのか、
半日などすごく遅れるのであれば、その便ではなく、別の便にしてもらうことが可能なのか、
それも無理と言われ、もし待っているのが嫌であれば、翌日の便への振替えとその場合のホテル手配が可能かをその航空会社係員に早めに交渉してみるのも一つの手です。
これは航空会社の空港での判断になりますので、その場で自分自身で直接交渉してみないとわかりませんし、
移動が翌日になることでの今後の旅程も考慮しないとなりません。
いずれにせよ、自分の旅程を考え「この条件下でどうするのが自分自身にとってベストな状況か」の決断は早いほうが良いです。
同様に搭乗できない人が振替便を希望して殺到し、別便の空席はどんどんなくなってしまうからです。



この場合、「預けている荷物はどうなるのか」も空港の航空会社係員に合わせて確認してくださいね。
乗り継ぎ便がある場合
同一予約なら航空会社が対応してくれることが多いですが、別の予約だと補償されない場合もあります。
補償されないということは、乗り継ぎ便に関して、そちらの航空券規定が適用される ということで、
変更料や再手配時の運賃差額がかかってくる、または変更不可の航空券なら買い直しとなってしまうということです。
この場合もまずは欠航・遅延になった航空会社へ乗り継ぎ便があることを伝えて、いったんは航空会社へ相談いただくことをお勧めします。


払い戻し対応
同航空会社で同日・翌日などの空席が無いと言われ、払い戻しを案内された場合。
払戻しに関しては、手配元の旅行会社などに連絡をして手続きをする必要があります。
いずれにせよ、搭乗便は再手配(別途購入)をしないとならなくなり、手間とお金を考慮する必要があります。
出発日が近いほど高い運賃帯しか空いていない場合が多いので、再購入は割高になる可能性があります。
3. 遅延・欠航時の証明書が必要な場合
学校・仕事・保険の提出に必要な場合、航空会社のカウンターまたはWebで発行可能です。
遅延(欠航)証明書の英語表記:
・Flight Delay(Cancellation) Confirmation
・Proof of Delay(Cancellation)
・Travel Disruption Certificate(イギリス系航空会社で見られる表現)
4. 宿泊・送迎先に早めに連絡
現地到着が遅れる場合は、ホテル・送迎業者・現地ガイドなどに連絡しておきましょう。
5. 遅延時は、空港の施設を活用
- ラウンジ(航空会社予約クラスや会員ステイタス、クレジットカードステイタスがある場合は利用可)
- カフェ・充電スポット
- 無料Wi-Fiを活用して連絡・情報収集



快適に待つことで、ストレスも軽減されます。
欠航に備えてできる5つの準備
国際線の遅延にはさまざまな理由があるため、完全には避けられません。
でも、事前の知識と柔軟な行動力があれば、慌てることなく乗り越えられます。
- 航空会社アプリをインストールしておく
- 航空会社のサポート連絡先(電話番号)を控えておく
- モバイルバッテリーや充電器を持参する
- 宿泊先の連絡先をオフラインで保存
- クレジットカード付帯の保険内容を確認しておく



フライトの遅延・欠航は旅行の予定に大きく影響してしまうため、正確な情報収集と早めの行動がカギです。
遅くなるほど代替え便の空席がなくなってしまうので、まずは航空会社へ早めに連絡することを心掛けて、無料で代替え便の席を確保するようにしましょう。